FJK法律事務所

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04/07/2022

【BLのシッパーズパックコンテナの免責約款に関する判例】
 
 日本海事新聞令和4年6月14日付記事によると、BL(船荷証券)約款のシッパーズパックコンテナ(荷主がバン詰め)の運送人の免責条項を有効とする高裁判決が、5月に最高裁で損保側の上告受理申立が退けられ、確定したとのことです。  
事案は、タイのバンコク港から横浜港までの自動車関連品の海上輸送契約において、両港でのコンテナヤード保管中に降雨で水濡れ損(清水)が発生し、大手損保が荷主に支払った貨物保険金の償還を求めて、フォワーダー(利用運送人)に対し代位求償により提訴したものです。BLは、JIFFA(国際フレイトフォワーダーズ協会)の書式です。
 損保側は、シッパーズパックコンテナの免責条項は、国際海上物品運送法15条1項(現11条1項)の免責特約禁止規定に触れ、無効と主張しました。
 しかし、国際海運法同条3項では、船積み前や荷揚げ後の事実により生じた損害には、同条1項の規定は適用しないとされ、免責を明確に許容しています。
 裁判では、水濡れ損は、被告の運送区間で生じ、責任は負いうるが、どちらかのヤードで発生したもので、同法同条3項に当たり、免責条項は無効にはならないとしました。同法を素直に解釈した順当な判例だと思います。
 国際海運法の元となった1924年船荷証券統一条約は、運送品の船積みから荷揚げまでの間についてのみ海上運送の特殊性を認め、適用対象となる「物品運送」もその範囲に限定されています(同条約1条(e) 号)。そのため、船積み前と荷揚げ後の区間については、免責特約禁止規定(同条約3条8項)は適用されません。  
他方、国際海運法は、運送人の責任期間を、運送品の受取りから、船積み、積付け、運送、保管、荷揚げを経て引渡しまでの全区間(同法3条1項)としています。それで、免責特約禁止の範囲が条約より過大にならないよう、船積み前又は荷揚げ後の事実により生じた損害について、免責特約を許容したものです。

19/09/2019

淡路島岩屋港での漁船同士の衝突事件で、業務上過失致死罪等に問われた船長の刑事弁護を担当し、一審の神戸地裁で無罪になりました。検察官控訴の可能性はあります。https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20190917/2020004899.html

船主責任制限手続きについて、HPの海事Q&Aに追加しました。
28/04/2019

船主責任制限手続きについて、HPの海事Q&Aに追加しました。

海事に関するよくある質問をQ&A形式で掲載しています。

TBS「あさチャン」で、弊職が今もワープロ専用機を使用していることで録画取材を受け、平成31年4月25日、放映されました。https://jcc.jp/news/14652301/
26/04/2019

TBS「あさチャン」で、弊職が今もワープロ専用機を使用していることで録画取材を受け、平成31年4月25日、放映されました。
https://jcc.jp/news/14652301/

山口県の大島大橋への船舶衝突事故で、平成31年2月15日午後5時、船主責任制限手続の開始決定がなされました。責任限度額はありますが、少しでもスムーズに手続が進めばと思います。以下は、中国新聞の3月2日の記事です。
04/03/2019

山口県の大島大橋への船舶衝突事故で、平成31年2月15日午後5時、船主責任制限手続の開始決定がなされました。責任限度額はありますが、少しでもスムーズに手続が進めばと思います。以下は、中国新聞の3月2日の記事です。

19/11/2018

中国新聞から、山口県の大島大橋への外国船の衝突事故について、
取材を受けました。島民の方は、
一か月近く断水が続いたままのようで、1日も早い復旧が望まれます。

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07/10/2018

 【保険債権先取特権の準拠法についての判例】

1 保険法22条1項では、責任保険契約の被保険者に 対 し、保険事故に係る損害賠償請求権を有する者は、保険金請求権について先取特権を有する、としています。
 これは、保険金請求権を有する被保険者が加害者なので、特に被保険者が破産したような場合、被害者は破産手続によって損害賠償請求権の弁済が十分受けられなくなりますが、それでは被害者の保護に欠けるため、被害者が保険金を優先的に受けられるように保険金請求権に対する先取特権の制度を設けたものです。
2 今般、加害者である債務者も、保険会社も外国法人である場合の、保険債権先取特権の準拠法について、高裁判例が初めて出されましたので紹介致します。
 事案は、長崎県対馬付近の海域で、平成26年12月21日、韓国の海運会社Y所有の韓国籍貨物船が、日本の会社X所有の日本籍漁船に衝突し、損傷を与えるという事故が発生しました(本件事故)。Xは同条の先取特権(本件先取特権)に基づき、Yに対して有する不法行為に基づく損害賠償請求権を被担保債権及び請求債権として、Yが複数の保険会社(第三債務者)に対して有する保険金請求権の差押命令を申し立て、同28年9月21日、東京地裁が発令しました。これに対し、保険会社のZ1(韓国法人)、Z2(英国法人)、Z3(韓国法人)が執行抗告を申し立てたのが、本件です。
3 原審の東京地裁は、本件事故は日本の領海内で起きたものと認定した上、保険債権の先取特権の成立の準拠法については、①法廷地法と②被担保債権の準拠法を累積的に適用するのが相当としました。
 そして、法廷地法は日本法であり、また、被担保債権の損害賠償請求権の準拠法も、本件事故は日本の領海内で起きたものであるから、法の適用に関する通則法(通則法)17条により日本法である。したがって、本件先取特権の成立に関する準拠法は日本法であるから、本件先取特権は成立するとして、上記の債権差押えを認めました。
4 これに対し、抗告審の東京高裁は、同29年6月30日、地裁の決定を取り消し自判し、本件先取特権の成立は認めずに、上記差押命令の申立てを却下しました(確定)。判旨は、以下の通りです。
⑴ 証拠によれば、本件事故の衝突位置は、日本の領海外(公海)と認められる。
⑵ 本件先取特権は債権先取特権であるが、通則法にはその準拠法について明文の規定がない以上、準拠法は条理に従って解釈により合理的に決定すべきである。
 一般に法定担保物権の成立の準拠法については、①目的物の所在地法(物権の準拠法、通則法13条1項)と②被担保債権の準拠法を累積適用するのが通説である。
 それによれば、双方の準拠法が認める場合にのみ法定担保物権は成立し、この事情は、本件先取特権のような債権先取特権にも妥当する。
⑶ 目的物の所在地法について(①)
 先ず、債権先取特権は物権であるが、先取特権の客体である債権は財産権であって目的物は存在せず、その所在地法を観念できない。
 しかし、債権先取特権は、その客体である債権を支配し、その運命に直接影響を与えるものであることに鑑みれば、目的物の所在地法に相当する準拠法として、客体である債権の準拠法によると解するのが相当である。
 それによれば、本件先取特権の客体である債権は、債務者(Y)の抗告人(Z)らに対する保険金請求権であり、これらの債権の準拠法はいずれも英国法である。
⑷ 被担保債権の準拠法について(②)
 次に、本件先取特権の被担保債権は、本件事故による不法行為に基づく損害賠償請求権である。
 不法行為の準拠法は、原則として「加害行為の結果が発生した地の法」(通則法17条)であるが、本件事故は公海上で起きたものであり、そのような法は存在しない。
 この場合、本件事故は日本籍船と韓国籍船の衝突事件であるから、その準拠法については、衝突船舶の旗国法を累積適用するのが相当である。
 それによれば、本件先取特権の被担保債権の準拠法は、衝突船舶の旗国法である日本法と韓国法が累積適用される。
⑸ 以上により、本件先取特権の準拠法としては、英国法、日本法、及び韓国法が累積適用され、これら三国の準拠法がいずれも債権先取特権を認めている場合にのみ、債権先取特権が成立することになる。
 しかるところ、日本の保険法22条1項は、不法行為について損害保険契約に基づく保険金請求権に先取特権が成立する旨を規定するが、英国法及び韓国法には、日本の保険法22条に相当する制度は存在しない。
 したがって、本件先取特権は成立しない。
5 以上、この高裁判例は、債権先取特権の準拠法について、法定担保物権に関する従来の多数説の考え方に沿ったものといえますが、高裁の判断ですので、今後の実務に事実上大きな影響を及ぼすと考えられます。

30/08/2018

【外国船の賠償能力確保に関する判例】
 いわゆるサブスタンダード船の油濁損害や座礁による放置が問題になっています。
 そのため、外国船が本邦内の港や瀬戸内海等の特定海域に入港し、又は本邦内の港や特定海域から出港したりするには、確実な賠償能力が確保されるよう、船舶油濁損害賠償保障法で保険等の保障契約の締結が強制されています。その内容として、油濁損害の賠償と座礁船等の撤去費用を填補するものである必要があります。
 同法では、国土交通大臣は、申請者から保障契約を保険者等と締結している旨の申請があれば、それを証明する書面を交付することとされています。その証明書面の備置きがなければ、外国船は本邦内の港から出港できません。
 ところが、山口県の港を中国に向けて出港したベリーズ船籍の船舶が、宮崎県沖で座礁し、放置されたままになった事件では、保険料の支払が未了の時点で国が証明書を発行し、出港していました。
 それで、地元の漁業協同組合は、船舶の撤去費用の支払を求めて、宮崎地方裁判所に対し、先ず船主(香港)と保険会社(ロシア)を被告として訴えましたが、結果は、前者は欠席判決で勝訴するも回収不能、後者は仲裁合意の抗弁で却下されました(平27.1.23)。
 他方で、原告は、両社からの回収が困難であることを考慮したのか、国を相手取り、保障契約の有効性の審査をきちんとすべきなのに、保険契約の効果が未発生の時点で証明書を発行したのは過失であるとして、国賠法に基づき、撤去費用相当額の損害の賠償を求める本件の裁判を、同裁判所に起こしました。この裁判は、前の裁判とほぼ同時期に起こされたようです。
 その判決は、平成28年3月3日にありました(確定)。内容は、国土交通大臣等には、同法の要件に適合するか否かについて形式的な審査権しかなく、それを超えて保障契約の有効性について審査すべき権限はなく、その義務もない、としました。また、保険金支払の確認書面を申請者に求めることは、法令に根拠がない事実上の行為であり、同書面を求めるかどうかは、原則として行政機関の裁量であって、怠ったとしても職務上の義務違反とはならない、としました。
 こうなると、被害を受ける可能性のある関係者としては、証明書発行の際の審査やポートステートコントロールにつき、より厳しい運用を求めていくほかないように思われす。
 
 

【商法(運送・海商)改正法成立】 平成28年2月、法制審議会で商法の運送法、海商法の改正要綱が決定されて法務大臣に答申された後、国会で審議中であった改正法律案が、ようやく同30年5月18日可決され、成立しました。  当初、同28年10月に国...
30/08/2018

【商法(運送・海商)改正法成立】
 平成28年2月、法制審議会で商法の運送法、海商法の改正要綱が決定されて法務大臣に答申された後、国会で審議中であった改正法律案が、ようやく同30年5月18日可決され、成立しました。 
 当初、同28年10月に国会に提出されたものの、継続審議が続き、一時は廃案になりましたが、同30年2月に通常国会に再度提出され、今回の成立に至ったものです。
 時代遅れとなっていた現行法の約120年ぶりの大改正であり、現代の実務に即した改定がなされており、物流、海運の関係者にとっても喜ばしいことだと思います。
 改正法は、改正要綱が基本となっており、弊事務所のHPで要綱については解説しています。
   http://fjk-law.com/qa-kaiji.html
 尚、改正法の条文は、法務省のHPで確認できます。
  �http://www.moj.go.jp/content/001206883.pdf
 施行日は、公布された同30年5月25日から1年を超えない範囲で政令で定められます。

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