11/03/2025
ブラジル法コラム no.1
「カーニバルはブラジルの国民の祝日ではない」
3月1日から5日にかけて、ブラジルではカーニバルが開催されました。カーニバルというと日本ではすぐにリオのカーニバルを連想しますが、カーニバルは、リオデジャネイロだけのものではありません。ブラジルのそれぞれの町に独自のカーニバルがあります。カーニバル期間中は全国的に休みとなり、だれもが友人や家族と一緒に仮装をして街に繰り出し、踊りや歌を楽しみます。
しかし、ブラジル人の間でも意外と知られていないのが、カーニバルの日は、国が定めた法定の祝日ではないということです。
カーニバルの日は、「任意休日(ponto facultativo)」とされています。これは、1949年法律第662号および2024年MGI(公共サービス運営・革新省)省令第9.783号で定められています。
「任意休日」とは、企業側の判断で従業員に休暇を与えるかどうかを決める日です。 企業が休暇を与えない場合、その日は通常の労働日となります。カーニバルの場合、月曜日と火曜日が任意休日とされています。「灰の水曜日」と呼ばれる水曜日は、正午までが任意休日とされていて、午後からは通常勤務とされています。
こうした誤解があるため、ブラジルの裁判例には、カーニバル期間中の勤務に対して、法定の祝日での就業に支払うべき「祝日手当」の支払いを求める訴訟が多く見られます。例えば、第3地方労働裁判所(TRT3)の判例(AP 0010319-46.2023.5.03.0023)や、第2地方労働裁判所(TRT2)の判例(ROT 1000847-35.2017.5.02.0025)などがあります。しかし、これらの裁判では、カーニバルが国民の祝日ではないことから、労働者の祝日手当の請求がどれも却下されています。
以下は、判決の中でアドリアナ・プラド・リマ判事が述べた見解です。
「カーニバルの月曜日と火曜日は祝日ではありません。カーニバルはブラジルの祝祭カレンダーの中で重要な位置を占め、国民文化にとっても意義深いものですが、これらの日は法的に祝日と定義されておらず、法律で明確に規定されている必要があります。」
ただし、一部の州や市町村がカーニバルの日を、州または市の祝日として定めている場合もあります。したがって、自分が住んでいる州や市でカーニバルが祝日として制定されているかどうかを確認しておくことが重要です。