08/02/2021
【固定残業代の有効性について】
月額3万円の職務手当について、賃金規定に「職務手当は、固定残業の一部として支給するものとする。」との規定があり、労働条件通知書には「職務手当のうち一部を残業代として支給する」との記載があったケースです。
会社の常務取締役は「職務手当の中に固定残業代の他に能力に対する対価も混在していた」と証言しました。
この場合、固定残業代に対する部分と能力に対する対価部分が明確に区別されていなければなりません。
そして、固定残業代部分と能力に対する対価部分が明確に区分されていないことを理由として、
職務手当による固定残業代の支払いは無効とされました。
更に、この職務手当も未払残業代の算定根拠に含めて計算されることになり、
その分、未払残業代の金額が上がるという結果になりました。
(例えば、基本給17万円で10時間労働だと時給1万7000円ですが、
基本給17万円と職務手当3万円だと20万円が算定根拠となり10時間労働だと時給2万円となります。)
(狩野ジャパン事件、令和元年9月26日長崎地裁・大村支部判決)