25/04/2026
【弁護士に「セカンドオピニオン」を求めるのは失礼ではありません…多分】
信頼できる顧問弁護士や代理人に裁判や交渉を任せることができれば、心強いものです。しかし、一人のプロフェッショナルにすべてを委ねることが、必ずしも最善の結果をもたらすとは限りません。どれほど優秀な弁護士であっても、特定の案件に深く入り込んでしまうと、視点が固定化してしまうリスクがあります。三人寄れば文殊の知恵、という言葉もあります。
そこで、「弁護士のセカンドオピニオン」を活用してみてはいかがでしょうか。
別の弁護士が別の角度から相談を受けて記録を読み直すことで、現在の代理人が見落としている法律構成や、提出すべき有力な証拠に気づくことができるかもしれません。
会社などでは、経営層に対して、「複数の専門家の見解を得たうえでの方針である」と報告できれば、法務担当者にとって大きな後ろ盾となります。
セカンドオピニオンを受けた結果、現在の方針に誤りがないようであれば、安心して現在の代理人に任せることができます。少し疑問に感じていた点について、セカンドオピニオンを聞くとその疑問が解消することもあります。
ただし、重要な留意点があります。
セカンドオピニオンを依頼する際は、「現在の代理人と交代させることは予定しない」ようにされるほうがいいと思います。
相談を受ける弁護士が「自分が後任として受任したい」と考えてしまうと、現在の代理人の活動を過度に批判し、自分を有利に見せようとするバイアスがかかる恐れがあります。一方で、弁護士が「引き取って受任するつもりはない」と考えているときには、後任の依頼をされないように過度に保守的に現状を追認する話をされる恐れがあります。
ニュートラルで価値のある意見を引き出すためには、あくまでも「セカンドオピニオンとして」のフラットな相談を大前提に、意見求められたほうがよいと思います。
また、適切な意見を受けるためには、記録一式、相談の経過など、客観的な資料を漏れなく揃えます。相談者の気持ちが入ってしまい、見せる資料が偏ると、客観的な正しい評価にならない可能性があります。
このように丁寧に診てもらうならば、もちろん、時間も費用もかかります。
セカンドオピニオンを求めることについて既存の代理人に了解を得るかどうかは、迷うところです。失礼に当たるのではないかと心配になるかもしれません。
「セカンドオピニオンを聞いてみたい」と言われると、既存の代理人は、当然ながら複雑な感情になります。人間ですから、「信頼されていないのかな」と悲しくなるかもしれません。でも、ずっと不安や不信感をくすぶらせながら事件を進めていくほうが、後でしこりを残すものです。
弁護士によって考え方が違うかもしれませんが、セカンドオピニオンを受けるときに、既存の代理人の了解は必ずしもありません。しかし、隠れて相談するのではなく「先生を信頼していないわけではないが、より万全を期すために(自分の納得のために、あるいは、社内での説明のために)別の視点も入れて検討してみてもいいですか」とオープンに伝えてみることも選択肢かもしれません。